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サブスクから消えるならダウンロードしても無駄

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電気グルーヴの音源が取り下げになるということで、その前にサブスクでダウンロードしておこうって言ってる人がそれなりの数いました。正直、ええ!? その程度の仕組みの理解度でご利用なさってらっしゃるの? と失礼ながら思ったわけです。

 

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世の中には「サブスク、やめる前にダウンロードしまくっておけば勝ちでしょ」とか言ってしまう人もそれなりにいるので、その亜種な感じの反応だとは思うわけですが、そんな都合のいい抜け道のあるシステムになっているはずがないんです。

 

サブスクのダウンロードはあくまでもストリーミングじゃなくて、オフラインでも再生できる利便性のために用意されているもので、ユーザーのファイル所有のために用意さている機能ではありません。

 

オフラインダウンロードのファイルを再生するときは、毎回じゃないですけど、定期的に通信が発生して、そのファイルが有効なのかどうかチェックが入ります。なので遅かれ早かれ、取り下げになった音源はダウンロードしてあっても無効になります。

 

この辺はサブスク使うくらいの人なら常識的な知識かなぁと思ってたんですけど、サブスクも一般化、普及のフェーズに入ってきたということなのか、よく分からないけど使ってます!という人が増えたんですね。それはそれで感慨深いと言えますけど。

 

ちなみにサブスクの場合を述べてきましたけど、個別購入の場合は取り下げになる前に買っちゃえば、その音源はDRMフリーですから、自分で大切に保管し続ければ未来永劫聴く事ができます。AACが再生できる機器、ソフトウェアが世の中に有る限り。

 

ただし取り下げになった場合、ストアからの再ダウンロードができたりできなかったりするんですね。この部分が怪しいので、自分でバックアップを気にしないといけないわけです。大した手間ではないですけど。

 

ところで音楽のDRMDRMフリーな話ですけど、日本において音楽のダウンロード販売DRMフリーになったのは2012年2月くらいの話です。なのでもしかしてDRMフリーな状態しか知らなくて、サブスクのDRM有りという状態が理解できない世代の子もいるのかもなって少し思ってたりします。DRMという概念がそもそも脳内にないのかもと。

 

話は変わって、そもそも不祥事で音源の取り下げをする必要があるのかという部分ですが。ネット上では人と作品は別、作品に罪はないの連呼ですけど、そうは言っても誰かというか、組織ごとまとめて責任を取る、けじめを付けるのが日本社会だとも思うんですよね。

 

だから作品を出し続けるという行動は、逆に特に何も行動を起こさない、事の重大性を理解してない・・・と取られるリスクがあるのではないでしょうか。

 

あなたが小さな子の親だとしましょう。子供がピエール瀧の姿を見て「カッコいい、あんな風になりたい」って言ってきたらどうします? 作品をそのまま多くの人の目に触れるところに出し続けるということは、そういう事も起こり得るわけです。

 

だから音楽に関してはSONYが回収するのはいいと思うんです。でも回収した後にSONYが直販で買いたい人には売ればよろしい。要は大っぴらになんも変わりなく売り続けることが憚られるのならば、閉じたところでひっそりと売ればよろしい。

 

こうすれば、本当に彼らの音楽を買いたいと思っている人は買えるわけだし、買って聴いてハッピーになれるでしょう。みんな納得、ハッピー!

 

みんな「作品に罪はない」とかもっともらしい事言ってますけど、単に自分が聴きたい、書いたいのを邪魔すんなってだけの話だと思うんですよ。カッコつけてもっともらしい理由を述べてるだけなんです。奪われるのが嫌いなんですね、人間の本能的な部分って。

 

というわけで、買いたい人への販路だけ確保すれば、誰も文句言わないんじゃないかって思いました。サブスクはなー、取り下げもやむなしですかね。訳ありコーナー作ってそこからしかアクセスできないようにするとかならOK?

 

ちなみに私は音楽家が自分の作品の公開範囲、期間というのをもっときめ細かく制御できてもいいのではないかと思っているんですよね。物理パッケージの流通では、消費者の手元にあるパッケージは、ずっと消費者の管理下にあって、作家はコントロールできませんでした。

 

でもサブスクだと、作品の出し入れが作家が自由にコントロールできるわけです。作品が世に出ているか引っ込められているかって、本来は作者がコントロールできて然るべきだとも思うんです。今までそうでなかったのは、物理パッケージの流通システムでは、そんなの不可能だったからですね。

 

YouTubeとかでは期間限定動画とか有りますよね。ああいうイメージで音源も期間限定とかやってもいいと思うんです。いつでも聴けると思うと聴きませんが、期間限定となると聴かなきゃって思いますし。

 

今回の電気の取り下げ事件は、そういうサブスク時代の作品公開の可能性というのも示している一件なのではないかと思いました。ただこのアイディアの敵は「音楽を所有したい」という概念です。フィジカルパッケージの数十年が生み出した厄介な概念です。それについてはまた後日。では、また明日。

 

でも音楽は引っ込めても数年で復活するよね、いつも