PrimeSeatでハイレゾのままストリーミング試聴できるように。丸本莉子のアルバムを全曲試聴
ハイレゾしてますか?
ハイレゾ音源の配信が日本で始まってもう3年ちょっと経っちゃってるんですけど、ハイレゾ買ったことありますか? なんとなくまだまだニッチな市場な気がするんですよね。YouTubeで聴く?観る?でいいじゃないって人の方がマスになっちゃってそうな気がします。
でもポータブルプレイヤーは妙に高価なものが妙に人気があったり、どことなく音源というソフトウェアよりも、ハードウェア主導の市場になっている気がします。ポータブルでしか音楽聴かない人も多いそうですね、本当ですか?
試聴の問題
今までは
従来のハイレゾ配信サイトの問題は、その商品本来の品質で試聴できなかったということです。せっかくCDを上回るクオリティのものを販売しているというのに、試聴はCDを下回る圧縮音源でしか再生できなかったのです。単純に音楽の構成の確認しかできなかったんです。録音物としての確認は難しかった(圧縮聞いてもハイレゾでのクオリティはわかる人もいるそうですが)
海外では
海の向こうでは聴き放題なサブスクリプションでさえハイレゾクオリティの音源を流し始めているという時代に、日本では試聴すら未だに圧縮音源です。悲しくなってきますね。
この理由(想像)
もっともこれは商売っ気でケチくさいとか、技術的に不可能とかではなくて、アクセスしているブラウザ上で正しくハイレゾのまま試聴させるのが面倒ってことなんじゃないかって個人的には考えていました。
正しく試聴させるためには、ストア全体を例えばiTunes Storeみたいな専用ソフトで構築するしかないんだと思ってたんですよ。iTunes Storeはハイレゾじゃないけど。とはいえ、専用ソフトを作るのもコスト的な負担が相当に高そうです。そこで登場するのが。
PrimeSeat
PrimeSeatはハイレゾでストリーミング配信を行うためのソフトです。コンサートとかのライブ配信をDSDといったアホみたいにデカい形式で配信できます。いわゆるハイレゾクオリティなんて余裕でこなします。
今回の丸本莉子さんのアルバムのハイレゾ試聴はPrimeSeatを利用することで実現しています。専用ソフトを用意することなく、既にあるソフトを利用したわけですね。でもこれ賢いと思うんですよ。配信サイト側では試聴用のPrimeSeat用ページだけ用意して、そこに飛ばせば間違いなくハイレゾのまま試聴できる。ユーザーもハイレゾで試聴していると思ったら、うっかりダウンコンバートした音を聴いてたってこともなくなる。
実際に聴いてみた
接続方法
今回の試聴音源は96kHz/24bitのPCM音源です。ハイレゾとしては標準的なフォーマットですね。ビットレートはこのスペックだと平均的には3000kbpsくらいですかね。よくネットだと320kbpsで高音質ってタグが付いてたりしますけど、3000kbpsです。
http://hd-music.info/group.cgi/view/6501 より引用
ハイレゾ試聴するためにはパソコンが必須です。PrimeSeatにはスマホアプリないんですよね。将来的にできたらスマホでもハイレゾ試聴できるようになるかも? でもスマホアプリにはストアアプリが存在するところも多いのでそっちで対応するかもしれません。
接続はパソコンに直接繋いでも、USN DACを経由して繋いでも鳴ります。もちろんUSB DACを経由した方が音は良いです。高級ポータブルプレイヤーなんかを使っている人は、それをUSB DACモードで使えば、今回の試聴にも使えそうですね。
再生してみた
曲ごとに再生できますけど、普通に全曲再生になります。右上に小さく「96kHz」って表示が出ているのがわかりますかね? さて試聴してみると確かにハイレゾらしい豊かな音場が拡がります。小さな音、繊細な残響音まで残っていることがわかります。
比較してみた
さて、従来の試聴音源と比較してみようとVicterのサイトに入ったんですが、そうでしたVictorの試聴は128kbpsという屈指のビットレートの低さなんでした。まぁ聴いてみましたが、昔はよくこんな音を聴いてたなぁと懐かしくなるサウンドです。2000年代最初の10年を思い出します。というわけで、
iTunesに予約扱いでアルバムが転がっていたので、これを比較対象にすることにします。ちなみにApple Musicでも聴けます。iTunesは256kbpsなので、128kbpsよりははるかにマシです。
圧縮音源ってよくできてると思うんですよね。音楽を楽しむ分には十分な性能を持っているというか。これはこれでアリだと思うんですよ。でも比較するとやっぱ音の輪郭が違うというか、よく分離がいいって言いますけど、ひとつひとつの音が潰れずに響いてますよね、ハイレゾ。
他のストアもやってほしい
やっぱ試食するときに、違うクオリティのものを試食させるのは違うと思うんですよね。それだったらやらない方がマシではないかと。
今回のPrimeSeatを使った仕組みによって、ハイレゾ配信はやっと本来のスタート地点に立てるのかもしれません。仕組みは既存のシステムを使うだけなので、moraとかe-onkyoとか他のサイトでもやってくれないものかなぁと思います。
PrimeSeatも稼働率上がっていいでしょうし、ハイレゾ作成する側もダメな音源を作ると試聴ではじかれて買ってもらえないから、クオリティ上げることに一生懸命になるでしょう。良い流れが生まれそうです。
ハイレゾをハイレゾのまま試聴する。この当たり前に思えることが、普通に当たり前になると良いですね。
mojoが欲しい
これは愛用中