ほどほどに、ほぼほぼ

「ほどほぼ」って呼んでね。なんとか毎日更新中

ネタバレを苦にしない私の論理

 

 

世間的にはネタバレを嫌う人の方が多い気がするんですよね。正直、その気持ちがあんまり分からんのですけど、きっとネタバレを嫌う人は、ネタバレを気にしない人の気持ちが分からんのだと思うので、ネタバレOKな人はどういう感じで作品を見ているのかを書いていこうと思います。

 

例えば音楽を考えてみてくださいよ。ネタバレっていう概念すらほぼほぼないでしょう? まぁ初見時にフルバージョンの構成がどうなっているかっていう楽しみが、敢えていうならそれに対応するのかもしれないですけど、別に初見時しか楽しくないってわけじゃないでしょう?

 

むしろ何回聴いても、絶頂してしまうポイントは絶頂しちゃうと思うわけですよ。ここでまず音楽の例を理解した上で、何回繰り返してもお楽しみいただける構造はあるということを理解して次を読んで欲しいわけです。

 

物語でも同じことだと思うんですよね。例えばミステリーで犯人が誰だかいきなり知っちゃっても、当然、作り手はそこに至る道をあれこれ考えを凝らして作り込んでいるので、そういう部分を気にしてみていけば面白いと思うわけです。犯人が誰かという部分しか気にしてないってのは、作品のごくごく一部しか見ていない、とても表面的な鑑賞スタイルだと思うんです。

 

ネットをやっている以上、ネタバレ情報を完全に回避するとか不可能だと思うんですよ。完全遮断するくらいだったら、ネタバレOKな風に自分を体質改善する方がはるかに簡単に実現できると思います。

 

ネタバレが物語上、致命的になる構造って、それ自体がうーんって思わなくもないんですよね。大前提として、作り手ってネタバレ状態で作るじゃないですか。作品上の全ての時間軸での情報が無意識レベルで頭に刷り込まれているでしょう?

 

そんな状態で、全く何も知らない鑑賞者の状態を完璧にトレースして、各タイムラインにあるべき情報だけを置いた作品をうまく作れますかねぇって思うんです。これ、難しいと思いますよ。

 

そして作っていても、ネタバレでびっくりできてるかどうか作品の状態を自分では判断できないんですよね。自分は知ってるわけだし。もうアンコントローラブルですよ、墜落必至です。

 

とはいえ、うまいこと完成させて、最後にびっくり系な作品があるのも事実なわけです。でも考えてみてください。最後にびっくりする作品っていうのは、成立するためには見返してみたら、全部がそこに描かれている必要があるんです。

 

つまり、観ていて最後にびっくりしちゃった場合、そこまでの過程で相当な情報を見逃してるんですよね。なんて時間がもったいないんでしょう。2回以上見ないと正確に理解できないわけですよ。

 

これがネタバレ状態で全体のプロットまで把握した上、かつ鑑賞すべきポイントを整理して段取り組んで観れば、1回見る時間で作品を理解できるわけですよ! すごい! 時間の短縮!

 

まとめると、

  • 作品とはそもそも繰り返し鑑賞に耐えるものでなければいけない
  • ネタバレ注意作品は結局2回目の鑑賞が必要である
  • ならば最初からネタバレ状態で見た方が見るべきポイントをしっかり見れる

こんな感じです。サッカーで例えると、ネタバレに怒る人ってプレイヤー視点だと思うんですよ。でもネタバレOKな人は俯瞰カメラで見てる。別の例えにすると、ネタバレ怒る人は、試合結果のスコアしか見てない、ネタバレOKな人は得点がどう言う流れで決まったのか知りたがる。まぁそんな感じです。

 

原作付き作品は、先に原作を鑑賞してしまいたい